汎用クレジットカード誕生

クレジットカード参考書

クレジットカード歴史概略

1945年、第二次世界大戦が終結し、アメリカ合衆国では再びクレジット産業が活発化し、石油会社や小売業者のハウスカードが広く普及しました。

当初のハウスカードは特定のガソリンスタンドや小売店でしか利用出来ませんでしたが、その後、系列の店舗間での利用が可能なカードへと発展します。

1950年、消費者と小売店の間に「第3者機関」が加わった新しいクレジット「汎用クレジットカード」を「 Diners Clubダイナースクラブ) 」が世界で最初に成功させます。実はこれ以前1947年に、銀行家であるジョン・C・ビギンズが同じくニューヨーク州にて「チャージ・イット(Charg-It)」と名づけた汎用クレジットを実施しておりますが地域が限定されたものでした。

その後、VISAMasterCardの原型が共にカリフォルニア州にて誕生します。なぜカリフォルニアなのか?ということは諸説ありますが、
①全米で最も銀行の支店網が発達していた。
②銀行の機械化が進んでおりシステム化が容易であった。
③ベンチャー精神が旺盛な企業風土があった。
などカードシステムをつくりやすい環境が整っていた為と言われております。

VISA
米国の西海岸が発祥。
1958年 カリフォルニアでバンク・オブ・アメリカが「バンクアメリカード」を発行。
1966年 カリフォルニア州以外に本拠を置く銀行にもライセンス供与し急速に普及。
海外フランチャイズ第1号は英国のバークレイズ銀行、第2号は日本の住友クレジットサービス
1970年 運営をバンク・オブ・アメリカから切り離し、複数の金融機関からなる組織に移管。
1976年 名称を現在の「 VISA 」に変更。
1982年 GOLD カード発行。
1998年 SIGNATURE カード発行。
2000年 INFINITE カード発行。

MasterCard
米国の東海岸が本流の発祥。
1968年 ニューヨークに本拠を置く銀行が中心に「インターバンク・カード協会(ICA)」を設立。
1967年 カリフォルニアの4大銀行が「カリフォルニア・バンクカード協会」設立。
1969年 カリフォルニア・バンクカード協会から「マスター・チャージ」の名称とマーク等の商標権を取得
1980年 名称を現在の「 MASTER 」カードに変更。
1981年 GOLD カード発行。
1999年 PLATINUM カードの発行。

American Express
1850年 ニューヨーク近郊の貨物会社の合併により「 American Express 」誕生。
1890年 トラベラーズ・チェックの発行。
1958年 クレジットカードの発行の開始。
アメリカホテル組合のユニバーサルトラベルカードを買収することにより飛躍的に発展。
1975年 GOLD カード発行。
1987年 PLATINUM カードの発行。
1997年 SAISONと提携。
1999年 CENTURION カード及び汎用型の BLUE カードの発行。
2005年 CITI BANK との提携を皮切りに提携カードの発行枚数が増加。
現在日本ではプロパーカードのBLUEは発行せず、提携の汎用カードにより会員増を図る。

Diners Club
1950年 設立。世界で最初のクレジットカードを発行。
1960年 日本ダイナースクラブ設立。日本でも最初の国際ブランドカード。(CITI、富士銀行、JTBが設立)
1999年 シティーコープの傘下になる。
2000年 プレミアムカード発行。
2000年 日本ダイナースクラブもシティーコープの傘下に。
2004年 日本ダイナースクラブの業務をシティカードジャパンに移転。独立組織の消滅。
2005年 米ダイナースクラブマスターカードのネットワークに加入。国際ブランドとしての歴史を終える。

JCB
1961年 日本信販と三和銀行によって「ジャパン クレジット ビューロー」設立。高級路線のダイナースクラブに対し大衆志向の戦略をとる。
1965年 AMEXと提携。会員に対し、短期一ヶ月有効なAMEXカードの発行を仲介。
1981年 独自の海外進出開始。(住友の国内集中に対し、JCBは国際展開を選ぶ。)
1982年 GOLD カード発行。FC展開開始。
1988年 国内でのクレジットカード発行デュアル化により、独自の地位を確立。

一言に「5大国際ブランド」と言えどもその背景は奥深いものがあります。

復習になりますが「クレジット」とは「消費者信用(Consumer Credit)」のことです。つまり、大口少数の法人相手ではなく、小口多数の個人向けのビジネスになります。

ダイナースクラブ」が今までに無い汎用クレジットカードという新しい市場を開拓した後、続いて参入し、成功させたのは、大手企業を主な相手としていたシティバンクでもチェースマンハッタンでもない、庶民派の銀行の集まり「VISA」と「MasterCard」です。
日本においても、クレジットカード事業に積極的だったのは、財閥系の銀行ではなく、バンク・オブ・アメリカからノウハウをいち早く学び「大衆のための銀行」を目指した三和銀行でした。

そして、世界的なホテルチェーン・ヒルトンの「カルテェ・ブランシェ」、トラベラーズチェックの祖でありノンバンクの「アメリカン・エキスプレス」、ショッピング業界の雄・シアーズの「ディスカバー」なども参入します。

しかし、クレジットという金融市場においては資金力のある銀行群「VISA」、「MasterCard」が圧倒的なシェアを握るのは言うまでもないことです。

また、その中でも「VISA」が優位に立った理由の一つは世界的なブランド・システムの統一を先んじて成功させたことが挙げられます。

その他、国民総生産世界第2位を誇る日本から「JCB」という国際ブランドが誕生したのも、10億超の単一経済圏人口を有する中国が「China Union Pay」を解き放そうとするのも、また実に自然な流れと言えます。

いずれにせよ、参入企業の変遷、カード媒体の進化を経ながらも、サードパーティを介した汎用クレジットは今後も発展を続けて行くことでしょう。

参考文献:
JCB:http://www.jcb.co.jp/
三井住友カード:http://www.smbc-card.com/
American Express:http://www.americanexpress.com/
Diners Club International:http://www.dinersclub.com/
GPnet:http://www.gpnet.ne.jp/
L.マンデル 『アメリカクレジット産業の歴史』 日本経済評論社 2000年
野口恒 『カードビジネス戦争』 日本経済新聞社 昭和60年
清水一彦 『現代のクレジットカードビジネス』 近代セールス社 平成2年

Keywords : クレジットカード 国際ブランド

クレジットカード参考書 : 記事アドレス | コメント (0) | トラックバック (0) | February 19, 2006

コメント

コメントを送ってください






このエントリーのトラックバックURL

http://www.cardportal.jp/mt/mt-tb.cgi/1231